山田宗樹著
「百年法」拝読。
話題の本につき
いっときは
書店から在庫がまるでなくなってました。
不老化ウイルスを摂取し
重篤な病気にならない限り
生き続けることが可能になった人々で構成されている
「もうひとつの日本国」のお話。
不老不死は人類の夢ではあるけれど
実際若いままで死ななくなれば
毎日の生活が無間地獄のようでもあるし
かといって死にたくはないし、どうなるのだろうって
想像。
その想像から生まれるストーリ、ディテールが
非常にリアリティあって引き込まれます。
人が死なない
ゆえに生まれる格差、雇用問題。
実年齢が90歳であっても出産が可能な男女の
恋愛、祖父と孫の関係であっても
見た目は若者同士という家族問題。
またこの「日本共和国」でも
大災害ののちの村落問題や
民衆心理を操っての政治問題が
勃発しており、ちょっとだけずれているだけで
現実の今の日本の事情と同じだなーと
照らし合わせて
イメージ出来ることがいっぱい出てくるので
あっという間の上下巻でした。
不老という希望を手に入れたことで
別の爆弾を抱えることになるのは
当然のことなのですが
人間の欲望の恐ろしさよ。
ちょうどiPSでノーベル賞が話題になったこともあり
このシチュエーションが現実味を帯びて
感じられました。
「百年法」とは
老化ウイルスを施して
不老の身になったとしても、人口が膨らむ一方では
困りますから、百年後には
安楽死センターで死んで頂きますよ、という
法律のこと。
この法律を受け入れる者にも
拒否して逃げ続ける者にも
平安は訪れない・・・ならば!
はー、面白かった。
(DJ KAZURU)
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