木内昇 著
「漂砂のうたう」 拝読。
明治になったばかりの
根津遊郭が舞台。
武士から転じて
遊郭の番頭になった男が
主人公ですが
実際こういう人もいたのだろうと
推測されます。
天地がひっくりかえるような
価値観の転換があったわけですから
明治の初期を経験した
人々、その苦労は
ちょっと推し量れない程。
到底自分だったら
耐えきれないと思います。
不思議な言動の
花魁が出てきたり
この世とあの世の境を
みせるような
場面もあり、落語の感覚を
交えた独特の
ファンタジー感も。
遊郭ものというと
ありきたりな女郎の悲恋ものなんかを
思い浮かべますが
そういうのはまったくなし。
時代の揺れとそこに生きる人の心を
掬い取っている佳い小説。
さて
根津の近辺で
わたくしがよく行くのが
「海上海」。
美味しい点心を
はふはふします。
海老春巻きや
ジャンボ焼売が大好き。
とろりとした
海老餃子もいいです。
(DJ KAZURU)
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