銀座リールで
テタンジェとつまみ。

パティスリーなんだけど
アペ遣いも出来ます。

・・・

水木しげる先生が
自身の戦争体験をもとに
描い「総員玉砕せよ！」　拝読。

水木先生は現地でマラリアに苦しんだり
片腕を失ったりもしています。
とにかく上官に殴られ続け
人間扱いされないことが当たり前の
戦地での経験を作品にもしているし
語ったりもしていました。

実際の事を本人が語っているので
いつもひきつけられてしまう。

この作品は
戦争も末期になろうという頃の
ニューブリテン島が舞台。

女郎の合唱

「わたしは廓に散る花よ
昼はしおれ、夜に咲く
いやなお客も嫌われず
鬼の主人の機嫌取り
わたしはなんでこのような
つらいつとめをせにゃならぬ
これもぜひない親のため」

で、幕開けするのが非常に
切ない作品。

あっという間に崩れ去る部隊の
上官との関係、食糧事情は
水木先生のリアルな描写で
今となっては
なんというバカなことを、の一言ですが
つい70年前のことと思うと
命をこのように軽く扱ってよしとする
国の方針に怒りがわきます。

最後
ぼろぼろになって死んでいく兵士たちの
胸中に女郎の歌がよみがえり

「私はなんでこのような
つらいつとめをせにゃならん」

と歌い上げますが、男も女も
尊厳をもぎ取られるだけもぎ取られ
無残。

絶命した兵士の死骸の山は
ただの残骸。

人間として尊重された死などひとつもない。

ひとりひとり生きているのに
心があるのに
ゴミのように扱われた。

そのことが
丁寧な描写でしっかり伝わってきます。

(DJ KAZURU)