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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

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2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

ジェームス山の李蘭

「ジェームス山の李蘭」
樋口修吉 著
徳間の復刊シリーズ。

ポップなイラストは未読だった
80年代の作家を
手に取るきっかけになりました。
こういう文庫復刊はありがたいですね。

樋口修吉は知らなかったけど
直木賞候補にもなったようで
解説を「麻雀放浪記」の色川武大が
書いており、同じように
猥雑な世界を知っている人のようです。

名取裕子主演で
映像化されたこともあるらしいので
「李蘭」という女性の一代記かと思いきや
タイトルにある李蘭は小説の冒頭に
その容姿だけがざっと説明されたあと
本を八割がた読み進めても
まだ出てきません。

語り手の葉介の
学生時代のエピソードから
米軍関係者との賭け事云々のもめ事
時にはご婦人相手の夜の恋人としての
浮き名を流したあれこれ。
はたまた「ハマジル」が流行し始めた
横浜で、日系二世の金持ちの
雇われボーイとし暗躍
バーテンダーとしてクラブを切り盛り・・・と
戦後の横浜や神戸で軽やかに生き抜く
話が続くので「李蘭どこいった!」と
心配になりました。

物語も終盤、ようやく
李蘭と葉介の夫婦のように
親密な生活の話となりますが
この神戸の家での描写が
大変読みごたえありました。
映画や小説といった豊かな文化に
彩られた二人の旅、うるわしい生活。

発表された1981年はバブルもまだで
客船での旅も、ダンスパーティーも
フランス刺繍で作られる
大きなタペストリーも、
多くの日本人にとっては
別世界のことだったのではないかと
思いますが、その暮らしの描かれ方が
美しいです。

いつ明かされるのかと思いつつ
ページをめくっておりましたが
李蘭が隻腕になった理由も
結局よくわからない!
でもまあ、そんな謎を残したやり方も
アリな気がしてきました。

徳間さん、復刊感謝です。

DJ KAZURU


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