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2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

今年のはじめ辺りから
絶賛され大評判だった
「木挽町のあだ討ち」
永井紗耶子 著、拝読。

なにがそんなに評価されてるのか
興味津々で読みました。

歌舞伎の小屋の前で
まるで芝居の一幕のような仇討ちが
行われた。
それはなぜ
芝居のように鮮明に人々の心に
残ったのか・・・という話で
確かにオチまで見事。

皆川博子氏が「彗星図書館」の中で
戦後文学との対比として

【最近の小説評や読者の感想で
作品の美点としてよくあげられるのは
読後感が良い、癒やされる、
救いがある、最後に希望がある、
読みやすい、などです】
と、半ば揶揄しておられますが
まさに
そこにぴったりはまる小説でした。

間違いなく
今ウケるスタイルなのでしょうが
ものすごい違和感でしたよ。

これは
まったく世間に疎い
ものを知らないある人物が、次々に
幇間、
歌舞伎役者、
元武士
元蔭間、
女郎から生まれた子、
戯作者、と
様々な職種の人を訪問しては
彼らから話を聞く
ストーリーなので、すべてその工程で
時代背景と当時の常識を
説明してくれる作りになってるんですね。

つまり読者は
江戸時代の仇討ちというシステムも、
歌舞伎がどういうものだったかも、
河原乞食と蔑まされてた
歌舞伎役者の生き方も、
吉原の遊び方の仕組みも、
菅原伝授手習鑑の筋も、
清元の名手に延寿太夫ってのがいたことも、
なーんにも知らなくても
説明されるので大丈夫なんです。

通常の時代小説というのは
ある程度そのあたりのことは
常識として踏まえた上で
話が進むものですが、これは
世間知らずが詳しく説明してもらうという
ストーリーなのです。というか
それが小説の本筋といってもいい。

これだけのことを説明してれば
それだけで結構な分量ですから。

もしかして令和の時代に
江戸時代のことを識らない読者に
受け入れられんがための
小説なのでは? とすら感じました。

これを読むと江戸時代の風俗が
なんとなくわかるでしょう。

でもそれだけで、時代小説としては
上等の部類には入らないかと。

これが馬鹿売れとは驚き。

歌舞伎に詳しい人が読んでも
おっと思うような新しい発見を
必ず見せてくれる
松井今朝子の書く小説あたりが
気の毒というものです。

DJ KAZURU


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