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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

ミッドウェー海戦

澤地久枝さんが
90歳を超えた今も
ミッドウェー海戦で
命を落とした日米の人々の調査を
続けていると知ったのは
今年見たNHKのドキュメンタリーです。

恥ずかしながら
澤地久枝さんがライフワークのように
取り組んでることを
全く知らなかったのですが
執念の記録だと感じました。

なぜ彼女がここまでやるのか。

政府がまったくいい加減な
調査しかせず、そこで何が起きたために
日本軍から大量の死者が出たのか
明らかにされていないからです。

言ってみれば不祥事の隠蔽です。

一人ひとりの命が大事とは
誰もが思うことですが、それが
本当ならば、ここで散った命が
どのように生まれ、どのように生き
どのような死に方をしたのか
明らかにされるべきだし、それでこそ
追悼できるというものです。

澤地久枝はのその思いは
日本人だけでなく、アメリカ人兵士と
その家族にも及びます。

遺族訪問では敵国人ということから
歓迎されないこともあったようですが
すべての命は大切なたった一つの命
そんなふうに思っているから、米国の
資料にもあたったのだろうなと
伝わってきます。

本書は
非常に細やかな調査の記録。
これ、ひとりの作家が
膨大な資料にあたってあたって
やってのけたのですよ。

1986年に出版されたものの
文庫復刊です。

当時のあとがきで

「かつての日本の社会は
個人のいのちの重さなど
問題にしなかった。

兵役法という強権で軍隊に
召集はしても、どこでどのように
死んだのかを確認する仕事は
国家の義務ではないようであった」

と書いてあり
なにがなんでも自分が
命の重さを証明してやる、とでも
いうような覚悟が伝わってきます。

最新の2023年版のあとがきでは

「第二部、戦死者と家族の声は
当事者の体験を語っていて
読むたびに私は心が乱れる。

感動する売文ではなく
一生ではじめて書くかもしれない
文章は、人々の哀惜、涙、そして
愛を伝えてくれる」

と、書かれてあり
日本人としてしっかり
読ませていただきます、と
自分を叱咤する思いでした。

この項目は嘘のない
遺族の気持ちが書かれているので
それぞれの人生をリアルに
想像させられますし、その命が
ポンと断たれてしまったこと
本当に胸が締め付けられます。

家族ごとに取材時の
状況も様々ですが
言葉の多い少ないに関わらず
家族の戦死は大きな傷となって
長年癒えることはなかったんですね。

遺族というものは
どこでどのように家族が死んだのかを
知りたいものなのに、それを
隠蔽されてしまったことにも
怒りを感じます。

なかには精神を病んだ遺族も
少なくないのです。

考えてみれば、我が子が一人
若くして死んだとしても、心は
破壊されるものでしょう。

それが三人も息子が戦死したりする
わけですから、それがどのような
ことか…

20代で未亡人になった人たちは
働き手を失い、生活に苦労した人ばかり。
再婚を余儀なくされた女性たちも
再婚先で豊かに暮らせたわけではなく
新たな苦難に見舞われた人も多く
気の毒な告白がいっぱいでてきます。

すべて戦争の影響なのです。

澤地久枝のすごいところは
この聞き取り、お手紙、訪問を
米兵遺族にもしてるところです。

ひとつひとつの命が
どう生きたかと知ることが
命の重さの証である。

この果てしない作業!
それにより、我々も
ミッドウェーに沈んだ個々の顔が
想像できるくらい
彼らの人生に向き合えます。

ところで
ドキュメンタリーを見て
はっとしたのですが
アメリカは第二次大戦のあとも
大勢の戦死者をだしているのですよね。

ミッドウェーで死んだ兵士の息子が
ベトナムで戦士したという例もあるわけです。

一方日本は
戦死者はいません。

色々考えさせられますね。

というか、澤地久枝の労に報いるには
我々が考えていく、ということ
以外にないような気がします。

DJ KAZURU


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