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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

コンセント

田口ランディ著
「コンセント」 拝読。

よい作品という評判どおり
不安定な感情をめぐる
テーマも文章も素晴らしかった。。。

「こんな混沌とした世界を
生きるのは疲れる。とりわけ
強い感受性を持っていたらなおのこと」

という文章が目に沁みます。

「不可解な自死」を遂げた兄の
葬式を執り行う羽目に陥った
主人公が葬儀屋とか死体放置された
部屋専門の清掃業者とかかわって
ある種の死生観を得るところから
物語は始まりますが、その
身内の死の捉え方に
まず非常に
共感いたしました。
作者も身近な人の葬儀を仕切ったことが
あるのでしょう。

兄がものすごい臭いを伴って
腐って死んだものだから
近所からは責められるし、頼りになるはずの
父母も狂乱状態で話にならない中
主人公は葬儀担当者と清掃業の
男性とだけ論理的な会話が出来ます。
精進おとしの弁当のランクだとか
会葬御礼の内容を決めるような会話でも
その時だけは、ある種ビジネスライクというか
淡々としていられるわけですね。

日本の葬式の形態は
賛否あるところですが、家族の死を
迎えた場合、葬儀をすることで(葬儀の
段取りは火葬の日時を決定することから
すべてが始まり、火葬のスケジュールというものは
一度決めたら、まず
遅れてはいけないことになっている)雑務に
追われ、数日でも「わけのわからない間に
過ぎてしまった」というのは、実は
精神によいことではないかと
わたくしは考えております。

だから
「葬儀が終わった途端
精神的な限界を感じた」という主人公の思いにも
真実味があるのですが。

人の死についてはもう
どうにも考えようのなくなる時があって
きっと誰もが同じなのだろうなあ、と。
主人公が、葬儀屋の男に対して
さすが、人の死にたくさん遭遇してきたプロだけあって
お悔やみのツボを心得ている、勇気づけられる、と
感嘆する場面がありますが、そうした
「プロ」であっても実の親や配偶者の死に対峙するときは
ぐっしゃぐしゃなものです。

何年も前ですが
知人の葬儀業者の専務が母君を亡くし
喪主になったことがありました。
出棺前
参列者に挨拶を、という場面で
「プロ」の口からは
どんな見事な挨拶がなされるのだろうかと
不謹慎ながら期待をもって
私はその場におりました。

現実には
気の利いた言葉などでず、ただただ彼は
しゃくり上げるだけでしたが
しかし、そこに葬祭業の尊さを
また見た思いもありました。

(DJ KAZURU)


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