往きて還らず 団鬼六著
特攻隊員が自分の女を
部下に託して散華してゆくというお話。
恐ろしいことに部下に託してもその部下が
またすぐに特攻で死んでしまうので
彼女は次の男に。。。と
なって最後は自らが
特攻に散る花のごとく命を散らすのです。
著者お得意の
SM的な要素は一切なしで
テーマは何かといえば
特攻などという方策をとるしかなかった
日本の戦略の浅はかさ、でしょうか。
続編も収録されていて
一人の女性に強烈に
抱いてしまった思いが抜けきれずに
生涯その面影をひきずる、みたいな
男性が描かれます。
このへん男のファンタジーかもしれませんが
そんな純情がちょっと愛しくなる
作品でした。
・・・
時節柄、戦争もののドラマなどを
テレビでもよくやっているようです。
先日「この世界の片隅に」の
ドラマ化したものを見ていたら
「女は三界に家なし」という言葉を思い出して
やるせなくなりました。
(DJ KAZURU)
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