高野和明 著
「ジェノサイド」
話題の本。
情緒は最低限の語り口にて
繰り広げられるのは
いまにもこの世界のどこかで
おきていそう、そう思わされる
ストーリー。
難病の息子の治療費のため
傭兵となったアメリカ人。
心を病んだ大統領。
未来を予測する研究者。
新薬の開発に携わる日本の大学院生。
凄惨な戦争に巻き込まれたアフリカの少年兵士。
さまざまな立場のさまざまな目線で
語られる事象はどれもスリリングで
一刻の猶予もない崖っぷちの出来事。
超人類への進化は
まさにこのように始まるのだろうか、という
話も加わって
考えさせられることばかり。
どの頁を捲っても
人間とは所詮おそろしい生き物であるということを
突きつけられるのですが
それがどうにも
切ないものです。
(DJ KAZURU)
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