特に目的もなく
書店をうろうろ、な
時に購入してしまうのは
短編集が多いような。
本当の
いけないこと
おしえて
あげる
とは何とも仰々しい帯でしたが
まったく知らなかった
谷崎潤一郎の短編ばかりが
読めて嬉しかった
「谷崎潤一郎マゾヒズム小説集」。
明治44年発表の
「少年」は
シーソーのように揺れる
微妙な権力関係の中で
小学生と中学生の男女が
えーっ!! ていう(か、書けない・・・)遊びに
興じていくおはなし。
耽美文のはざまに
丸尾末広の漫画みたいな映像が
浮かび上がってきました。
「少女椿」とかそんな雰囲気。
〈奏楽の音が止んだ頃、私は
まだ
消えやらぬ ecstacy の尾を心に曳きながら
今に あの窓から
異人や姉娘が 顔を出しはすまいか
と 思い憧れて
じっと 二階を 視つめた〉
うーん、ここだけうつしてみても綺麗な文章。
この調子でとんでもないお子様方による
遊戯が描かれます。
ほかに
男芸者の悲哀を切り取った「幇間」
奇妙な変身願望が爆発する「魔術師」
など
日本語の美しさに
からめ捕られながら・・・そんな
作品群でした。
(DJ KAZURU)
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